さんべ縄文の森ミュージアム(三瓶小豆原埋没林公園)

島根県大田市にある三瓶小豆原埋没林公園

ニュースレター

2013年6月号

イベント・まいぼつりんカフェ 新緑カフェを開催しました

 3月から10月まで、毎月1回開催しているイベント「まいぼつりんカフェ」では、各回毎にテーマを設け、季節感を味わえる内容で茶話会を楽しみます。展示棟の床面など、普段は公開していない特別な場所への案内も行います。

 5月は「新緑カフェ」と題して、ヨモギ、レンゲ、タンポポ、オオバコ、ユキノシタなど、身近な植物をテンプラで試食しました。なかには、日常は食べない「雑草」と呼ばれるものもありますが、参加者の皆さんは、ためらうことなく口にして、意外なおいしさに驚いたり、やっぱりこんなものかと納得したりと盛り上がりました。

 また、北三瓶地区で手作りしている「さひめっ娘味噌」と小豆原の野菜を使ったみそ汁も飲んで頂き、これまた好評でした。(真)

テンプラ試食

雑草の味は・・・? 興味津々の参加者

ユキノシタ

見た目はトゲトゲでも意外と?美味しいユキノシタ

大田のこがなもん あがなもん 石見銀山・大久保間歩(おおくぼまぶ)

 世界遺産・石見銀山遺跡には600を超える採掘跡が確認されています。本谷、永久の二つの坑道群のうち、本谷地区で最大の坑道が「大久保間歩」です。その名は、石見銀山の初代奉行、大久保長安にちなみます。長安が馬に乗ったまま入ったという言い伝えがあり、それも無理ではないと思えるほど広い空間を持つ坑道です。

 坑内に入ると、ひんやりとした風を感じます。年間を通じて、坑内の気温は10度以下で、夏場は天然のクーラーのようです。

 坑内を進むと、まず床面に残るトロッコ軌道の枕木の跡に気づきます。明治時代に再開発が行われた際に設置されたものです。

最初の分岐点あたりから、側面や天井に鉱脈に沿って掘った採掘の痕跡が現れます。分岐点を過ぎてさらに行くと、再び分岐があり、このあたりで注意深く壁を観察すると、上部は壁が平坦でノミ跡が残りますが、下部はごつごつと荒い岩肌がむき出しです。

荒い部分は明治時代に機械で広げた部分で、手作業で行われた江戸時代の開発との違いが良くわかります。

 公開範囲の一番奥付近は、天井までの高さが10m前後に達し、それだけでも驚くほどの広さですが、非公開部分にはさらに広い空間がいくつもあり、「福石場」と呼ばれていたそうです。

そのような部分では、一帯の石がすべて銀鉱石になっていて、多量の鉱石が採れた場でした。限られた幅の鉱脈を掘る場合と異なり、福石場では一度に何人もが採掘作業にあたることができ、効率的です。

福石場の存在は、比較的軟質で掘りやすい岩質とともに、16世紀の石見銀山が“特別な鉱山”だった大きな理由のひとつと考えられているそうです。

 大久保間歩は、4~11月の金、土、日曜日と祝祭日に公開ツアーが行われており、ガイド付きで見学できます。石見銀山の本質と特異性を知ることができるこのツアー、おすすめです。(菊)

この記事は、おおだwebミュージアム

を参考にしました。

大久保間歩

大久保間歩の坑内。この部分は鉱脈に沿って掘った跡で、天井まで10m近い高さがある。