さんべ縄文の森ミュージアム(三瓶小豆原埋没林公園)

島根県大田市にある三瓶小豆原埋没林公園

ニュースレター

2010年2月号

旅の新提案~平田進也と行く快goツアー

平田ツアー

 1月17日、あるツアーご一行が埋没林公園へお越しくださいました。要介護の方を対象としたその名も「快go(かいご)ツアー」で、大田市の介護士・中村学さんが同行されました。そして、添乗は“カリスマ添乗員”として知られる平田進也さん、スペシャルゲストとして“ミヤネ屋”の宮根誠司さんが登場する特別感いっぱいの旅。

 今回の旅が実現したのは、大田市出身の宮根さんからつながった縁がきっかけとなり、さまざまな人の思いが集まったおかげ。埋没林については、平田さんが観光素材として高く評価してくださっており、ツアーに組み入れられました。 この旅の様子は日本テレビ系のテレビ番組「秒ヨミ!」で放送されます。

太古の森のこぼれ話「森は広いのだ」

大田の立木

 川の水面から突き出る黒いもの。大田市内を流れる三瓶川、静間川の川岸を歩くと、アヤシイ物体が立っているのを見かけることがあります。なんだ?

 これは小豆原埋没林と同じ4000年前頃に、三瓶山から流れ下った土砂に埋もれた立木。幾本も確認でき、大きなものは1mを超える太さを有するものがあります。どうやら、大田の平野部には太古の森が埋もれていて、川が地面を削り込むとその一部が顔をだすようです。

 同じような立木は出雲平野の神戸川岸にもあります。斐伊川放水路として掘削された部分には10本以上の木が立った状態で埋もれており、他の地点でも何本かが確認されているのです。それらが埋もれたのはやはり小豆原と同じ頃。三瓶の火山活動で噴出された土砂は、神戸川にも多量に流され、下流にあった森を埋めたようです。4000年前の森が広い範囲で残されている。これはスゴイ!

 きっと、平野の地下にはまだまだたくさんの木が眠っているのです。三瓶山の山麓から海岸までの当時の森林を再現できる可能性を秘めています。やるなあ、三瓶山。

 ちなみに、平野部で確認される立木の多くは広葉樹で、スギが中心の小豆原とは森の様子が違うことがわかっています。
  

大田のあがなもん こがなもん

石見地方に伝わる 「地元漁師の伝統料理」に『へかやき』というものがあります。「へか」とは農機具の犂(すき)の先の金属部分のことで、これを鍋の代わりに使ったことから『へかやき』と呼ばれるようになったようです。

 へか焼きのメインは肉ではなく、地元で獲れた新鮮な魚です。アマダイ、アナゴ、カレイなど旬の魚と野菜を併せて煮立てて食べます。魚から取れる出汁で野菜も美味しく、ヘルシーな料理です。日本海に面した、大田市波根町の各旅館で食べることができます(要予約)

金子旅館 0854-85-7130

水明館 0854-85-7358

石原旅館 0854-85-8529

武田旅館 0854-85-8635

朝日旅館 0854-85-8431

三瓶の美味しいお店「Voice Cafe 岳人」

岳人

志学温泉の中ほどに、地元のこだわりの食材を活かした山の洋食屋さん「VoiceCafe岳人」があります。オーナーの奥村和也さんは、元ミュージシャンで店内のステージには本格的な機材が設置され、ギターの演奏、カラオケ等が楽しめるスペースが確保されています。奥村さんの滑らかな指使いから奏でられる音色は柔らかく、転がるように弾き出される旋律は誰もが心地よく感じることと思います。

 食事の内容も豊富で、人気メニューは何と言っても「日替ランチ600円」で、お薦めメニューは、山陰情報誌”さんいんキラリ”(’09秋冬号)でも紹介されたオムライス!!
このオムライス、なんと明治オムライス~平成オムライスとシリーズ化されています。

 こだわりの食材のひとつは、まず白米!これは三瓶の豊かな自然の水と有機栽培により作られた「三瓶米こしひかり」を使用しています。また、三瓶ではこのお店のみで取り扱っている「かわむら牧場の島根黒毛和牛」を使用したステーキ、焼肉、カレーが自慢のメニューとのこと。 店構えは一見すると和風の趣がありますが、店内に入ると外観とは異なり広々としたカフェで自分の好みにあった席を選べるようレイアウトが工夫されています。

昼の営業時間 11:00~23:00

定休日 毎週水曜日

収容人数 約40名

駐車場 店舗前4台
(事前連絡により近隣の駐車場を確保できます)

住所 島根県大田市三瓶町志学ロ932-2  

TEL 0854-83-3678

豊かな大田市で生まれて20年~成人を迎えて~


私は今年成人式を迎えました。無事に成人できた事に感謝でいっぱい、幸せに思います。

 正直なところ “成人”と言ってもまだ実感がありません。「大人の仲間入りなんてしたくないな…、いつまでも子供のままでいたいなぁ」。そんな甘い気持ちもある今日この頃ですが、いつまでもこんなことではいけない。責任ある行動をしなきゃ!。

「絶対、都会に出たいよね~」

 以前は友達とそう話していました。でも、私は大田を出ませんでした。あんなに都会に行きたかったのにどうしてだろう。自分でも少し不思議な気がします。生まれ育った町が恋しくて離れられなかったのでしょうか。

 高校を卒業した私は埋没林公園で働く事になりました。母の実家が近いこともあり、幼い頃から三瓶にはよく遊びに行っていたので、大体の見所は行ったことがあるつもりでしたが、埋没林公園は行ったことがありませんでした。そういうものがあることは知っていましたが、まさか自分がそこで働くことになるとは夢にも思ってもなかったのです。

 いざ働くことになり、初めて「埋没林」を見た時の印象は、
「おっきい木だなぁ、縄文時代の杉なんだぁ」という程度で、それ以上の関心はありませんでした。ところが、勤めているうちに埋もれた理由や発見の経緯などを知り、少し興味を持つようになりました。自分なりの疑問も生まれ、それが理解できた時、「自然って凄いなあ!」、「こんなこともあるんだなあ」と驚きを感じるようになりました。それは埋没林に勤めていなかったら知ることがなかった驚きや感動だったかもしれません。

 今私はこう思っています。自然は凄い力を持ち、不思議に包まれたとてもロマンチックな世界。大田にある「自然」は、都会の街にも負けないぐらい素敵。

 埋没林公園で働く事になったのは、「埋没林を見て何かに気づきなさい」という運命(?)だったのかも知れませんね。