2010年4月号
大田の あがなもん こがなもん「掛戸松島」
JR山陰本線。大田市駅からのぼり列車で東へ向かうと、久手駅を過ぎてまもなく左手に切り通しが現れます。
その先に見えるのが「掛戸松島」。高さ20m近い搭状の岩の上には松が立っています。
地元で育ったものにはとても親しみがある風景で、遠方へ出かけた帰りなど、ここを通るとほっとしたものです。
以前は車窓から間近に見えたのですが、現在は暴風壁に視界が遮られるのが少し残念です。
でも、自動車ではすぐ近くまで行くことができます。ここからの夕暮れの景観は格別で、黄昏ゆく空の色をゆっくりと眺めていたい場所です。
てっぺんに立つ松は数代目で、当代は平成18年に地元の方が植栽されたものです。この松も元気がありませんが、脇から自生した別の木が次代を担う勢いで元気に育っています。
掛戸はその南にあった波根湖の水を日本海に排出する為に開削された切り通しです。伝承によると、鎌倉時代に地元の有力者有馬氏が2代をかけて完成させたと伝わります。
太古の森のこぼれ話「現代のスギ林を見に行く」
益田市美都町板井川に島根県の本土側では貴重な自生のスギ林があります。
「若杉天然杉」と呼ばれるこの林は、標高691mの正本山の中腹から上にあり、スギとモミの大木が混交しています。
板井川の上流、双川峡を過ぎてさらに進むと登山口に到着。ここからは急な山道を歩きます。登ること約30分。
ようやくスギ林に到着。出迎えてくれたのは幹が幾本にも分かれた異形のスギ。大人5人でやっと抱えられるほどの太さ。傍らにも巨木を従え、堂々たる風格です。
ここには、周囲2m以上のスギが30数本とモミ、広葉樹の大木が林立しています。数百年の時をかけて育った巨木の姿に出会うと4000年前の小豆原の森はこのようであったかと、太古の森に少しだけ近づけた気がします。
現代では山奥にわずかだけ残る巨木の森。かつて縄文の時代にはこのような豊かな森があたりまえのように存在していたのでしょうか。若杉天然杉を訪れると、縄文の自然の豊かさにあらためて感動をおぼえます。
大田の美味しいお店「ロード銀山」
こだわりの郷土料理が評価されて県の「しまね故郷料理店」に認定された、ここ「ロード銀山」は、食材も地元のものを活かした料理にこだわり、伝統の故郷の味を提供されています。
一押しメニューは”ここだけ定食”で、三瓶で育ったそばの実を丁寧に石臼製粉したそば粉を使用した手打ちそばと「箱寿司」をセットにしたものです。他にも「そば・さば寿司定食」「そば・あなご寿司定食」などたくさん揃っています。
箱寿司の美味しさは、酢の加減や酢飯のしまり具合で微妙に変わるようですが、ここの箱寿司は母親の味を思い出させるような優しく誰にでも好まれる味になっていると思います。
また、好き嫌いの多いあなごもしっかりと下地処理がされており、臭みがなく美味しく食すことができ「あなご寿司定食」は”超お勧め”とのことでした。
ロード銀山の建物は、お年寄りや車椅子のお客様に配慮した設計になっていますので安心してご利用下さい。
営業時間
○売 店 AM 9:00 ~ PM 7:00
○レストラン AM11:00 ~ PM 5:00(宴会等のご予約は要相談)
定休日 毎週水曜日
収容人数 約80名
駐車場 乗用車50台、バス3台
住所 〒694-0052 島根県大田市久手町刺鹿1945-1
TEL 0854-82-1991 FAX 0854-82-8684
*4月下旬より道の駅「ロード銀山」として開業予定
*道の駅に改修後は乗用車80台、バス5台駐車可