さんべ縄文の森ミュージアム(三瓶小豆原埋没林公園)

島根県大田市にある三瓶小豆原埋没林公園

ニュースレター

2010年10月号

大田の あがなもん こがなもん「爽快!! 三瓶観光リフトで登山気分」

三瓶山観光リフト(左)と女三瓶山頂から見る島根半島方面(右)

三瓶山東の原から太平山へ登る観光リフトは、遠くに大山や中国山地の山並みを望む抜群の展望を楽しむことができ、登山にも便利。

秋は足下にマツムシソウが咲き、晩秋には展望所から三瓶山随一の紅葉を楽しむことができます。

今回はスタッフの女三瓶登山体験記を紹介。

まずはリフトにゆっくり揺られること約10分で標高834mの終点に到着。そこから歩いて女三瓶山を目指します。

案内表示もあり、初めての方でも迷うことはないでしょう。山道は途中まで石段が整備されており、約15分登ると視界が開けた場所に到着します。

そこで待っていたのは、正面には雄大な男三瓶の姿、左手には子三瓶、孫三瓶その下を見ると室ノ内の池。そこからもう少し(約2分)進むと、標高957mの女三瓶の展望デッキに到着します。

頂上では、心地よい風が吹きススキを揺らしています。そこから見下ろす風景は、時間がゆっくり流れるのどかな里山。遠くに目をやると日本海。眺めのよさと、心地よい風のおかげで、登山での疲れが飛んで行ってしまいます。

その気持ちよさも手伝ってか、ここから約60分で男三瓶と案内表示されていると、何だか男三瓶の頂上を目指したくなってしまいます。

しかし、今回は軽装備のため断念し「また来るね」と男三瓶に約束して下山をしました。

リフトを使った楽々登山ルートは、登山経験がなく、体力に自信がない方にもお楽しみいただけます。また、リフトを使ってそこから全峰縦走というコース設定では、本格的な登山を少し楽に体験できます。皆さん、一度体験をされてみてはいかかでしょうか。

 ●ルート:東の原 ー リフト ー 女三瓶山頂

 ●所要時間:片道約30分

 ●リフト料金:650円(往復券)

 ●紅葉時期:10月下旬~11月上旬

太古の森のこぼれ話「年輪の秘密」

年輪は木の成長の歴史が刻まれています。

1年に一本ずつ増えていくので、数えることで木の年齢を知ることができます。今回は年輪について紹介しましょう。

年輪は色が明るい部分と黒っぽい部分が一組になっています。明るい部分は春から夏にかけて形成された部分です。

ひとつひとつの細胞が大きく、その分すきまがたくさんあります。黒っぽい部分は夏から秋にかけて形成されます。

細胞が小さくなり、組織が密につまっています。すきまの大小が色の違いに反映されているのです。

寒くなると木は成長を止め、黒っぽい部分ができた状態で冬を越します。

ちなみに、小豆原埋没林の立木は黒っぽいが完成した状態なので、秋から翌年の春先までの間に埋もれたことがわかります。

幹は樹皮の下で細胞が分裂して成長します。すなわち、年輪は外側へ外側へと増えていくのです。同時に、樹皮も形成されます。樹皮は幹とは逆に、内から外へ押し出されるように成長します。樹皮の表面が少しずつはがれ落ちても、内側から新しく生まれて来るのです。

幹の断面をみると、外側が白っぽく、中心近くはやや濃い色をしています。

白っぽい部分は「シラタ」と呼ばれ、材が柔らかいので建材などには使えない部分です。

このシラタは幹の新しい部分で、木が生きる上でとても大切です。水や養分を吸い上げるのは、シラタ部分にある導管と呼ばれる管です。

木の成長とともにシラタも更新され、内側の部分の導管は使われなくなります。使われなくなると樹脂によって埋まり、その分材が硬くなります。

古い木では木の中心が空洞になっていることがありますが、もともと中心部は木が生きるための機能を失った部分なので、そこが朽ちてしまっても生きていけるのです。

逆に、幹の周りをはがし取ってしまうと木は枯れてしまいます。

年輪に関連してしばしば耳にするのが「幅が広い方が南」。

これは本当でしょうか。答えは「間違い」。日当たりが良い側への枝張りが多くなることはありますが、幹の成長と日当たりは基本的に関係ありません。

しかも、深い森の中では南が日当たりが良いとは限りません。

山中で迷ったときに切り株の年輪で方角を決めて進んだら、余計に迷ってしまいますよ。

大田のおいしいおみやげ「ストまき」

ストまき画像

大田特産品のひとつが「かまぼこ」です。

かまぼこといえば板に乗った形が主流ですが、大田で「かまぼこ」といえば、ストローにまかれた「ストカマ」です。

旅行で訪れた方がこの形を初めて見てびっくりされることがしばしばあります。

子供の頃から見慣れてこれが当たり前と思っていたので、驚かれることにびっくりしてしまいますが、全国的には珍しいスタイルのようです。

ストかまの原料は地元の港で水揚げされた魚。大田沖は底引きの良い漁場で、そこで採れた新鮮な魚を使います。

素材の良さは、一口食べたら納得! 魚の風味がしっかり活きているのです。

おすすめの食べ方はシンプルが一番。1cmくらいの厚さに切り、わさびと醤油をつけて食べると風味と食感を楽しむことができます。

三瓶産のわさびをおろして添えれたら最高!

また、焼いても、油で揚げても美味しくいただけまし、包丁で切らずに手でちぎって食べると独特の食感が味わえます。

大田では、ストかまは普段の食事にも、お祭りなどのご馳走にも、欠かせない一品です。市内のスーパーやお土産店などで購入でき、おみやげ用には日持ちがする真空パックもあります。

(真空パックはストローがまいてありません。)