2012年2月号
大田の あがなもん 城上神社の鳴き竜
大田市大森町、石見銀山資料館のすぐ近くに「城上(きがみ)神社」があります。
大物主命(おおものぬしのみこと)を祀る神社で、石見銀山の安全と繁栄を願う、大森の氏神様です。
もともとは仁摩町馬路の高山にあったものを大内氏が移動し、さらに毛利氏によって現在の場所に築かれたそうです。
城上神社でおきる、ちょっと不思議な現象を紹介します。
拝殿のなかに入り格天井の中央を見ると、そこには大きな極彩色の「龍」が描かれています。1818年に三瓶の絵師・梶谷円隣斎守休(かじたにえんりんさいもりやす)の手により、描かれたものです。
この絵の真下で拍手を打つと「ビィーン、ビィーン」と、不思議な音が鳴り響きます。澄んだ空気の中で静かに響く音を聞いていると、寒さも忘れ心が洗われるようです。まるで絵の龍が鳴いているように聞こえることから「鳴き龍」と呼ばれ、大田市の文化財に指定されています。
今年の干支「辰」にちなんで、石見銀山にお越しの際は、是非お参りしてみてはいかがでしょう。
大田のうまいもん 大田の雑煮
正月の朝は「お雑煮」ですよね。
具やだし汁など各地様々だと思います。大田のお雑煮はとてもシンプルです。
軟らかく煮たおもちに、昆布と鰹節でダシをとり、醤油、みりん等で味付けしたつゆをかけます。鰹節と岩のりをたっぷりとのせれば出来上がり。あっさりしていて沢山食べられます。
魚津埋没林
富山県の魚津市の海底には、スギを中心とした埋没林が眠っています。特別天然記念物の「魚津埋没林」です。昭和6年、魚津港の整備の際に海底から発見され、その出土木は同市内の魚津埋没理林博物館で保存公開されています。
博物館では、水中展示館と乾燥展示館、ドーム館にそれぞれ出土木が展示されています。水中展示館では大きなプールの中に、最初に発見された3本のスギ樹根が展示されています。プールは実際に発見現地に設置されたものです。樹根の最大のものは、根の端から端まで約10mあり推定樹齢500年と言われています。プールは大深度からくみ上げた地下水を常に入れ替えており、のぞき窓から見ると澄み切った水の中にひっそりとたたずむ樹根は神秘的な美しさを感じさせてくれます。また、乾燥展示館では実際に手で触ることもできます。
魚津埋没林は約2000年前に海岸近くに茂っていたスギ林が、立山連峰から流れ出る片貝川の氾濫によって埋もれました。富山湾沿岸の地盤は沈降傾向にあるため、埋もれたまま海底に沈みました。この森は、太古の自然と、地盤変動を物語っているのですね。
実際に現地を訪問して海底から現れた太古の森に触れると、木々が私たちになにかメッセージを伝えようとしているように感じられました。
詳しくは魚津埋没林博物館のホームページをご覧下さい。
新雪の年明け
2012年の仕事始めの日は雪景色でした。
ここ数年には珍しい穏やかな年末年始でしたが、元日の深夜から雪が降り始め、翌2日には埋没林公園周辺は10㎝ほどの積雪となりました。
それでも雪の中、開園直後からお客様においで頂き、嬉しい一年の始まりとなりました。
本年も太古の森の素晴らしさを沢山の方々にお伝えして行きたいと思っています。