飯南町を拠点に活躍、絵本作家かげやままきさん(2)

2019.01.29

―絵本の制作は東京でしていたのですか?



制作は、ゆったり時間が流れているところがいいと思ったので、実家の飯南町に3カ月間こもって描きました。

すると自然の中に身を置き暮らすことが心地よくなり、そのまま居座り続けてしまいました(笑)。

 

 

そのときに感じたのは「子どもの頃からここで育ってきたのに、家の周りにある草木花の名前さえ全く知らない」ということ。
それから自然を観察するようになりました。

まずは、部屋の窓から見える「鳥」です。〝なんて名前なのか?〟〝どういう鳴き方をするのか?〟などを図鑑で調べているとだんだんハマり、次は草花を調べるようになりました。

 


そうすると作風やモチーフが変わってきました。
これまではイメージの花を描いていましたが、家の周りに咲いている花…例えばツユクサなど、具体的な花を描くようになったのです。

 

 

―次の作品は作風が変わったということですか?

そうですね!次は2011年に、家の周りをモデルにして「がまぐちがえるの つゆくさじむしょ」を月刊絵本で描き、2016年に市販本を出版しました。
「がまぐちがえるさん」は草刈りを仕事にしていて、そこに、「こがねぐも」の一家が仕事を探しにやってくる話です。がまぐちがえるシリーズは梅雨から夏、秋の2作あります。

 

 

 

 

島根に帰って来る前は、子どもの頃に好きだった本や絵本をたどったような作風で色彩もセピアでしたが、今は実際の生活の中で感じる季節感を描いているので、色彩が自然色に変わったと思います。

緑色一つをとっても新緑や深緑…季節、天候によっても色が違います。
それを肌で感じられる場所で暮らせて、とてもありがたいです。


 

―好きな絵本作家さんはいらっしゃいますか?

 

好きな作家さんは沢山います。
「自然」の観点からいうと「かこさとし」さんの絵本は子どもの頃からよく読んでいました。
虫が描かれている絵本があるのですが、虫を題材にした話だけではなく虫の生態をうまくストーリーに入れながら物語が構成されています。

 

 

かこさんの絵本を見て思ったことは、子どものころは何気なく見ていた虫ですが、大人になってから見ると「不思議だな~」とか「環境に合わせた生態になってるんだな」と虫に対して感動を覚えます。


今は、インターネットでいろいろなことが調べられますが、草花木虫など…皆さんにも実際に見て触って観察してほしいです。島根は自然があふれています。特にお子さんにはぜひ実体験してもらいたいです。

 

 

 

****かげやまさんとお話した感想****

ほんわかとしたイラストを描く、かげやまさんは、ニコニコ笑顔とささやくような語り口にも表れるように、とてもやさしい方でした。人柄が絵の中にも表れていてます。神様を描いた絵は微笑ましく、その絵を見るだけで幸せな気持ちになります。これからも、ココロが和むやさしい絵を私たちに届けてもらいたいと思いました。
ありがとうございました!

 

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