【特別連載2】これからの家の主流!?島根発の「再エネ住宅」ルームツアー
全国から注目される再エネ設備を完備した
島根発「サステナブルハウス」に行ってみた!
再生可能エネルギー、略して「再エネ」!
日本のみならず、世界のトレンドキーワード「再エネ」。
とはいえ、ちょっと難しい言葉ですよね。
そんな近くて遠い再エネを、ふんだんに取り入れたお家が島根県美郷町にあるんです!
その名も「みさとと。サステナブルハウス」。
再エネ設備が取り入れられていたり、サステナブル(=持続可能)な暮らしを支えてくれる仕掛けがあったり。
快適に暮らせるだけでなく「心が豊かに」なる仕掛けがザックザクなんです。
主な再エネ&サステナブルポイントは4つ!
1.太陽光パネルを標準装備
2.EV車用コンセントを標準装備
3.薪ストーブ設置対応
4.家庭菜園(希望者)
今回は実際にお家を訪問して、その魅力をご紹介。
これからの家づくりや今の住まいにも役立てられるヒントが満載ですよ!
それでは早速、サステナブルハウスへお邪魔してみましょう♪
お宅拝見!思わず好きになっちゃうポイント続々
今回、見学する「みさとと。サステナブルハウス」は、中学生以下のお子さんがいる移住ファミリー向けの新築・賃貸戸建て住宅。
木造1階建ての3LDKに、ユーティリティ土間を加えた間取りとなっています。
家には太陽光パネル、EV車用コンセントを標準装備。
加えて、“環境にやさしい=人間にもやさしい”仕掛けが随所に施されています。
これから家づくりを始める方のヒントになりそうなポイントがたっぷりあるので、メモのご用意を!
太陽光パネルで自家発電!余った電気は売電も
太陽光発電は、今やもっとも有名な再エネのひとつですね。
天候にもよりますが、晴れていればハウス内で使う電気は、屋根の上で発電したものでまかなえます。
つまり、電気の「自給自足」。しかも、余った電力は売ることができ、生活コストをグッと抑えられますよ。
(※「みさとと。サステナブルハウス」では、余った電力は町が管理しています。)
発電状況はモニターで確認。「今日はけっこう発電できている!」なんて楽しみが増えるかも♪
別途費用が必要になりますが、「蓄電池(ちくでんち)」を導入すれば、発電した電気を貯めて夜に使うこともできます。
災害時など “もしも”の備えとして再エネを導入するのも、持続可能な暮らしを目指す際のポイントになりそうです。
自治体によっては、太陽光パネル・蓄電池の設置補助や助成がありますので、気になる方は調べてみてくださいね。
電気自動車専用のコンセントを標準装備
急速に普及しつつある電気自動車。実は美郷町、全国の自治体の中でトップクラスの電気自動車保有率を誇る地域なんです。
全国では1万人当たり約18台なのに対して、美郷町では約77台と4倍以上の保有率(2022年度末時点)。
そのため、こちらのサステナブルハウスでもEV車専用の充電スタンドが整備されています。
早速、乗ってきたEV車にエネルギーをチャージ!
カバーを開け、コンセントを差し込むと充電開始と、とっても簡単。みるみる充電されていきます。
もちろん、これも太陽光パネルで発電した電気をチャージできます。地球温暖化の原因になるCO₂も出ません!
サステナブルハウスに限らず、戸建て住宅でのEV車用の充電コンセント設置は推進されています。
太陽光パネルと同様、自治体によっては、後付けでも補助・助成を実施している地域があるので、自治体HPなどで調べてみてくださいね。
憧れの薪ストーブも設置可能!
リビングの一角をよく見ると、タイル貼りのスペースがあります。ここ、薪ストーブが置ける場所なんです。
パチパチと音を立てて燃える薪、こぼれる温もり……。考えるだけでホッとできますね。
ほかの設備と同じく、地域によっては薪ストーブの購入・設置に補助があります。
薪ストーブを中心とした温もりあふれる家族の空間は、今や夢物語でありませんよ!
実は薪ストーブ、「再エネ」アイテムのひとつ。
最近の薪ストーブは非常に熱効率が高く、燃料を効率良く熱に変換できる優れもの。
化石燃料に頼らず、地域の森林資源を薪やペレットに活用すれば、CO₂をよく吸収する森づくりにもつながるアイテムとしても注目されています。
壁には調湿性能が高い「珪藻土」を使用!気になるニオイもシャットアウト
「珪藻土(けいそうど)」とは、藻類の仲間である珪藻の殻が化石になったもの。
吸水性や調湿性能が高く、コースター、バスマットなどでも使用されている素材です。
壁材に使用した場合、室内の湿度を一定に保ってくれるほか、抗菌性・防カビ効果が期待でき、カビやダニの繁殖抑制につながります。
こちらのお家では、リビングダイニング・各居室に使用。
ナチュラルに調湿してくれるので、ジメッとした季節の不快感を低減してくれそうです。
ユーティリティ土間と天窓から差し込む光。快適性抜群の空間
玄関から入ってすぐに広がるのはユーティリティ土間。
入口からシームレスでつながり、収納や手洗い場、トイレも併設しています。
「ユーティリティ」の名前の通り、自身の趣味嗜好やライフスタイルに合わせて、自由に活用できる多目的な場所に。
趣味の自転車やバイクを持ち込んだり、子どもの遊び場にしたり。
時にはガレッジセールのようなミニマルシェを開いて、近隣の方との交流拠点に。
インナーガレージのように使ってみても楽しそうですね。
土間からつながるリビングダイニング。天窓からは陽光が差し込み、壁や天井にラフに反射して、全体がやわらかな雰囲気になっています。
環境に配慮した設備を取り入れて、より“自分らしく”
今回紹介した以外にも、電気で水を温める給湯器「エコキュート」が標準設置されているほか、希望者には家庭用菜園スペースの利用が可能。好きな花を育てたり、朝採れ野菜で料理したり。
素敵ライフの妄想が止まりません!
「みさとと。サステナブルハウス」。いかがでしたでしょうか?
今の暮らしをよりサステナブルに、エネルギーの自立を叶えながら自分らしく暮らせる家。
再エネを上手に活用すれば、生活コストを下げながら、「好き!」が多い暮らしになります。
自然にやさしく、自分たちの体にもやさしい。そして、家族だけじゃなく、未来の地域にも笑顔が増えるかも!?
今からでも始められる「サステナ暮らし」
環境にも人にもやさしく、未来を見据えた「みさとと。サステナブルハウス」。
太陽光発電、EV車専用充電コンセント、薪ストーブと、“再エネ住宅のコンセプトモデル”のようなお家でしたね。
次は、今の住まいにちょっと足す・工夫することで実現できるサステナブルを2つご紹介しましょう。
1.電力を切り替える
2016年の法改正以降、電力の購入先を自由に選べるようになりました。
いわゆる電力自由化ですね。今契約されている電力会社にも、再エネ由来の電気を利用できるプランがあると思います。
プランの変更は設備工事などが不要。もっとも手軽なサステナ暮らしの手法のひとつと言えるでしょう。
せっかくなので、これを機に今使っている電気会社のプランに、再エネ由来のものがあるか確認してみませんか?
2.高断熱リフォーム・断熱の工夫をする
高気密・高断熱は新築住宅のトレンドのひとつ。ですが、家の断熱性能を高めるのはリフォームでも実現できます。
築年数や家の状態などで一概には言えないものの
・床や壁に断熱材を加える
・窓を複層ガラスに変える
・カーテンの裾を床につけて窓からの冷気をシャットダウンする
といった方法も。
家の断熱性能を高められれば、冷暖房機器の使用を抑えられ、身体や環境への負荷も軽減できます。
住宅のリフォーム・リノベーションに関しては、国・自治体から助成が受けられる場合がありますので、事前に調べておきましょう。
二酸化炭素の排出量を実質ゼロに
みなさんは「ゼロカーボンシティ宣言」という言葉をご存知でしょうか。
「2050年にCO₂(二酸化炭素)を実質ゼロにすることを目指す旨を首長自らが又は地方自治体として公表された地方自治体(環境省)」のことで、今回紹介した美郷町はその先進地でもあります。
美郷町に限らず、最近はゼロカーボンを目指した取り組みが、島根県内の各自治体でも活発に行われています。
その中心にいるのが再エネ。関連した取り組みや制度など、各地で盛り上がってきていますので、よろしければ各自治体のHPなどで「ゼロカーボン」を検索してみてくださいね!
■関連サイト
みさとと。サステナブルハウス
https://www.shimanemisato.com/sustainable
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