【特別連載1】5分で分かる「再エネ」のキホン!「再生可能エネルギーとは?」をまるっと解説
【保存版】5分で分かる「再エネ」のキホン!
「再生可能エネルギーとは?」をまるっと解説
最近、たびたび耳にするようになってきた「再生可能エネルギー」、略して“再エネ”。
なんとなく「環境にいい」との認識はあっても「そもそも何?」「どんなもの?」「どうして必要?」といった疑問が沸いてくる方も多いのでは?
そこで今回は、再エネの概要や特徴をまとめてサクッと解説。
最後まで読めば、「再エネとは何か」を周りの人に説明できるレベルになっているかも!
どうして今、再生可能エネルギー?
私たちの生活において、「電気(電力)」は切っても切れない主要なエネルギーです。みなさん、電気はどこでつくられているか知っていますか?コンセントの中?(冗談です)
答えは「発電所」。けれど、その原料は、石油、石炭、天然ガスといった「化石燃料」が中心となっています。
しかし、これら「化石燃料」は…
・埋蔵量に限りがある!いつかはなくなるもの
・ほとんどを海外から輸入しているので、輸入元で問題が起こったらエネルギー不足に!
・燃やすと地球温暖化の原因となるCO₂(二酸化炭素)が発生する
など、多くの問題が…
つまりこのままだと、私たちの将来、大ピンチ!
日本は人口減少が問題になっていますが、地球全体で見ると人口は増加しており、エネルギーの使用量はどんどん増加。
化石燃料の使用が増えれば、CO₂も比例して増加。
今よりもっと地球温暖化が進めば、熱中症が頻発したり、作物の不作が続いたり、今の暮らしが成り立たなくなってしまうかもしれません。
なので
・CO₂を出さない
・枯渇しない
これらを兼ね備えた環境にやさしいエネルギーへの転換が必要。そこで救世主となるのが「再生可能エネルギー」なのです。
太陽光や風、地熱など、自然の中にあるものを使って作るエネルギーを「再生可能エネルギー」と呼びます。
もっと具体的に言うと、日本では、「再生可能エネルギー源」を次の7つと政令で定めています
1.太陽光
2.風力
3.水力
4.地熱
5.太陽熱
6.大気中の熱その他の自然界に存する熱
7.バイオマス
みなさんはいくつ見たことがありますか?
これらは
・CO₂を排出しない
・純国産エネルギー
・災害時の電源の確保
といった利点があり、海外からの輸入に依存することなく、災害時など “もしも”の時にも安心といえます。
さらには、地域経済への貢献も期待されています。(ここ、重要です!)
日本では化石燃料を購入するため、年間約20兆円ものお金を海外に払っています。
その一部を国内の再エネに活用することができれば、地域経済への効果が期待できるはず。
再エネは、私たちの「今」の暮らしだけでなく、豊かな「未来」を見据えたエネルギーであり、今後、必要不可欠な存在になっていく暮らしの源なのです。
あらためて、「再生エネ(再生可能エネルギー)」をまとめてみると
・使っても自然に再生する枯渇しないエネルギー源
・CO₂(温室効果ガス)を排出しない
・地球環境への負荷が少ない、クリーンエネルギーとして注目されている。
・再エネを利用することで、化石燃料などの使用量が抑えられ、結果として地球環境の保全や地域活性化に貢献できる。
再エネ「主要メンバー」と特徴
絶対押さえておきたい、「主要」な再エネ設備と発電方法をミニ解説!
太陽光発電
再エネといえば、真っ先に「太陽光発電」を思い浮かべるほど有名。
ソーラーパネルに太陽光が当たると、パネルの中で電子(-)と正孔(+)が移動し、プラス極とマイナス極ができます。
そして、電子がマイナスからプラスの方に移動することで電気の流れを作ります。仕組み自体は乾電池に似ていますね!
近年は災害時の非常用電源としても注目度上昇中。
風力発電
風の力で羽根(ブレード)を回し、中にある「発電機」が回転運動を電気に変換します。
手回しラジオ・ライトも同じ仕組みなんですよ。
ちなみに、江津市の高野山風力発電所の風車の大きさは、タワーの高さが地上から羽根の中心までで80m、羽根の直径は90m(半径45m)です。
水力発電
ダム(貯水池)の水が、高いところから低いところに落ちる時の高速・高圧の水の流れを利用して水車を回し、水車と繋がる発電機が動くことで電気をつくります。
1891年(明治24年)に、日本で初めての一般商用水力発電所ができたのが再エネの始まり。「元祖再エネ」とも言えます。
ダムで配布される「ダムカード」も密かに人気。
バイオマス発電
主に、動物や植物由来の資源(バイオマス)を燃やし、ボイラーで発生させた高温高圧蒸気でタービンを回すことで発電します。
津和野町には、地域の木を使う「津和野フォレストエナジー発電所」も!
<バイオマス燃料>
・間伐材や廃材で作るチップやペレット(木質バイオマス)
・家畜の糞尿などを発酵させて作る「バイオガス」
・植物由系の液体燃料「バイオエタノール」など
燃焼時に発生するCO₂は、燃料の植物などが成長過程で吸収したCO₂と同量であると考え、相殺する「カーボンニュートラル」が適応されます。
地域の間伐材などを活用できれば、林業の活性化・雇用の創造・地域経済の循環にも繋がります
地熱発電
地中で熱せられた蒸気でタービンを回して発電します。火山がたくさんある日本はいわば地熱の宝庫。
安定して供給できる純国産エネルギーです。
化石燃料のように枯渇する心配がないのも特徴。
松江市にある玉造温泉でも、湯を使った地熱発電事業を計画中です。
まだある!再エネ発電
水を熱源としたエネルギー「温度差熱利用」、「空気熱」、海流のエネルギーを利用する「潮流発電」など、身の回りにあるさまざまなモノを動力源とするエネルギーが続々と開発中。
「考えてもみなかったアレ」がいつのまにか、エネルギー源になっているかもしれません!
暮らしの中に再エネを取り入れるには?
家(住宅)に取り入れる
身近なのは「太陽光発電システム」の導入。
ご近所にもソーラーパネルがのっているお家があるはず。
太陽光発電と蓄電池を設置すれば、夜間でも昼に発電した電気を使える利点があります。
電気の自家消費をしながら、余った電力は売る(売電)ことができます。
設置コストが気になりますが、補助金制度を上手に活用すれば、設置費用を安く抑えられますよ。
▼関連リンク
個人・事業者への補助・助成制度一覧(島根県HP)
https://www.pref.shimane.lg.jp/infra/energy/energy/saisei/hojo/hojo.html
もっと気軽に取り入れる
一番簡単なのは、電力会社・電力プランを切り替えること。
設備工事をすることなく、家の電気を再エネ由来のものにできます。
具体的な方法としては、大手電力会社の再エネプランを使う、自分のライフスタイルや考えに合う電力会社を探すなどです。
例えば、江津市の「神楽電力」では、「再生可能エネルギーの地産地消で地域経済の活性化」を目指して取り組み中。
ぜひ最新情報をチェックしてみて!
▼関連リンク
いわみるでんき Powerd by 神楽電力
https://www.iwamicatv.jp/denki/
再エネのキホンまとめ
「5分で分かる再エネのキホン」いかがでしたでしょうか。
実は身近にある再エネ。基本を押さえれば日々のニュースがもっと楽しくなり、新たな発見があるかも!
選択肢が広がり、より自分らしい豊かな暮らしに繋がれば幸いです。
【特大付録】島根にもある!「再エネSPOT」
島根県内にある再生可能エネルギー施設を2ヶ所ピックアップ。
島根の再エネ施設の一部は、見学可能なところもあるので、夏休みの自由研究・工場見学がてら行ってみるのも◎!
1.三成発電所(水力発電・奥出雲町)
昭和28年10月に運転開始した、島根県初の県営発電所。
貯水池となる「三成ダム」は日本で最初のアーチダムとして、土木学会選奨の土木遺産に認定されています。
最大有効落差58.76mを利用して発電し、最大出力は3,150kW。ダムでは「ダムカード」が配布されています。
■DATA
【所在地】奥出雲町三成1394-3
【問合せ先】島根県企業局
【見学】要問合せ
【HP】https://www.pref.shimane.lg.jp/infra/energy/energy/denki_jigyo/suiryoku/minari.html
2.ユーラス新出雲ウインドファーム(風力発電・出雲市)
岩海苔の産地、十六島町(うっぷるい)に林立する大型風力発電機。
潮風を受けてブレードが回転する様子は、爽快な眺めです。
1基あたりの出力が3000kWの風車が計26基点在し、約4万世帯分の電力を生み出しています。
付近の「十六島風車公園」では風車を間近に見ることができます。
■DATA
【所在地】出雲市
【問合せ先】株式会社ユーラスエナジーホールディングス 経営企画部広報グループ
【見学】2週間前までに要予約(見学無料、月~金曜の平日のみ受入)※個人見学は不可
【HP】https://www.eurus-energy.com/contact/
■参考サイト■
なっとく!再生可能エネルギー(経済産業省資源エネルギー庁HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/
「再エネ スタート」はじめてみませんか再エネ活用(環境省HP)
https://ondankataisaku.env.go.jp/re-start/
続けてチェック!再エネシリーズ
【特別連載2】これからの家の主流!?島根発の「再エネ住宅」ルームツアー
【特別連載3】再エネ、実は新しくない!?島根「最古の再エネ」見に行ってみた!