2012年8月号
蛍カフェ 美味しい食事と蛍のひかりを
楽しみました
毎月1回開催している「まいぼつりんカフェ」は、各回毎にテーマを設け、茶話会を楽しむイベントです。
6月は“蛍カフェ”と題し、蛍の光とお食事の2つを楽しみました。
まだ明るい19時にイベント開始。まずは大田市駅前の「アンテナカフェハレの日」さんのケータリングによるディナーです。
芝生園地でのビュッフェスタイル。三瓶産、大田産にこだわった食材を使った料理が素敵な演出とともにテーブルに並ぶと、参加の皆さんの目が輝きました。しばらくはゆっくりと食事を楽しんで頂きました。
食事がほぼ終わった20時頃には空は次第に暮れなずみ、テーブルに灯したロウソクの火が明るく感じられてきました。
「蛍、飛ぶかな?」
川の方へ目をやると、川辺の茂みに淡い光の点滅が。
「あ、光った!」
「きれい!」
小さな蛍が子供から大人まで、みんなを魅了する事が出来るのは、きっと私たち人間には造り出すことが出来ない自然の物だからだと思います。自然の豊かさと強さを改めて実感したひとときでした。
9月の埋没林カフェは「お月見カフェ」。中秋の名月より1日早い29日の夜、月光の下で芋煮を楽しむ予定です。(望)
「アンテナカフェ ハレの日」
地産地消の料理を通して、大田市の魅力を実感できるカフェ。
カフェ以外にもイベントや小物販売など幅広く手がけています。ウッド調でシックな店内は、落ち着いて食事を楽しむことができます。お店の雰囲気や料理からも、大田の自然を愛する思いが伝わってくるカフェです。
〒694-0064
島根県大田市大田町大田イ660-14
営業時間 10:00~18:00 休日 水・木
電話 0854-82-5655
琴の鳴る浜 琴ヶ浜の琴姫伝説
大田市仁摩町の琴ヶ浜は日本有数の「鳴り砂海岸」として知られています。浜辺を歩くときゅっきゅっと音が鳴るのです。1.6㎞に渡って続く砂浜は1996年に「日本の音風景100選」と「日本の渚100選」に選ばれました。
砂が鳴る条件は、丸みを帯びた石英を多く含む砂であること。浜が汚れていないこと。砂粒が小さく揃っていること等。浜が汚れてしまうと砂も鳴らなくなるのです。
琴ヶ浜にはこんな伝説が残っています。
「ある日、琴を抱いた美しい娘が浜に流れ着きました。村人達の手厚い看護で娘は命を取り留めます。娘は壇ノ浦の戦いに敗れた平家の姫でした。
都を追われた姫はこの浜で暮らすこととなり、村人達へのお礼にと琴を弾きます。日毎夜毎奏でる琴の音色は村人達を励まし、慰めました。次第に村人達は姫を心から慕い、敬うようになりました。
しかし、1年経った春のある日、姫は流れ着いた船の中で息絶えていました。村人達は美しく、心優しかった姫の死をいたみ悲しみ、浜一帯が見下ろせる丘に琴と一緒に手厚く葬りました。
翌朝、漁師達が浜を歩くと、琴を奏でる様な美しい音が鳴ったのです。村人達は、きっと姫がこの浜に心を残して逝ったに違いないと言い合い、この浜を琴ヶ浜と呼ぶようになりました。
丘には姫の碑が建てられています。美しい伝説と共に、美しい砂浜が永遠に続くよう守っていきたいものです。(奈)
大田のうまいもん 梅のしそ巻き
「これは、何が巻いてあるんですか?」
当園の物販棚に並ぶ「梅のしそ巻き」を目にしたお客様からしばしば尋ねられます。
これは梅の実を使った保存食。三日三晩干した梅の実を種からはずし、砂糖とともに一つずつ丁寧にシソの葉で包みます。その後、一年間寝かせて出来あがる、手間暇かけた一品です。
梅のしそ巻きは、石見銀山ゆかりの食品とされます。梅には解毒作用があるとされ、江戸時代の鉱夫は梅肉を利用した防毒マスクを使っていました。そのため、石見銀山の周辺では昔から梅がたくさん栽培され、その梅を使って梅のしそ巻が生まれたそうです。
砂糖が貴重だった時代は贅沢品だったそうで、年配の方からは「病気になると沢山食べさせてもらえた。」と聞きます。甘い梅干し、といった味で、そのまま白いご飯と一緒に食べるのもよし、さっぱりと揚げ物と合わせるのもお勧めです。 (菊)