さんべ縄文の森ミュージアム(三瓶小豆原埋没林公園)

島根県大田市にある三瓶小豆原埋没林公園

ニュースレター

2010年6月号

大田の あがなもん こがなもん「清滝」

清滝

清滝は、大田市久手地区を流れる江谷川の上流にあり、岩肌を幾条もの細い糸のように水が流れる美しい滝です。

江谷川の上流にあり、水の神様である市杵姫命(いちぎひめのみこと)を祀っています。

滝への道の目印は国道9号線沿いの「道の駅ロード銀山」。

その西の交差点から市道に入り、南へ約6km進むと滝見学用の駐車場があります。
駐車場から滝までは徒歩5分ほど。遊歩道を行くと、まず「矢滝」「小滝」があらわれます。
名前は「小滝」ですが、横の広がりと水の音は充分に満足できます。

心地よい水の音を聞きながら進んでいくと、落差20mの清滝にたどり着くのですが、滝と遊歩道の絶妙な角度のため、ぎりぎりまでその姿が見えません。
滝から落ちる水の音が段々大きくなり、期待が膨らんだところで最後の一歩。突然目の前にレースのカーテンのような滝の姿が現れます。
何度訪れてもわくわくする瞬間です。

太古の森のこぼれ話「根株の上には!?」

A-9

埋没林がまだ発見されていなかった1995年頃のことです。

三瓶火山の研究家である松井整司さんは、以前に行われたほ場整備の際に出現した巨大な立木を探すための調査を行っていました。

ある時、誘われて調査に同行しました。

立木を探すと言っても、何しろ地面の下のこと。うろうろ歩き回ったところで、立木の手がかりはどこにもありません。足下に木が立っていることを想像することも困難です。ところが、川の中に手がかりがあったのです。

「この川の底に、大きな木の株が顔を出しているんだ。」

松井さんに案内され、草が茂る小豆原川へ足を踏み入れました。

「ここだ、ここだ」

松井さんが指さした先に、確かに木の一部が顔をのぞかせています。半円しか見えていませんでしたが、かなり大きい木のようです。年輪がきれいに見えていて、触ると材がしっかりしています。しかも、2つあった株の一方には、護岸の石垣が乗っています。その様子を見ると、何千年も昔のものとはちょっと思えませんでした。

「先生、これはそんなに古いものではないのでは??」

「だがな、今の地盤からはずいぶん低いぞ。こんな所に木が生えていたのが最近のこととも考えにくいぞ。」

今。

あの時石垣が乗っていた根株は、三瓶自然館に展示されています。新しい時代のものという見立ては大外れで、それは四千年前の森の一部だったのです。

ところで、気になることがひとつ。それは、株の上に石垣を積んだ人はその木のことをどう思っていたのでしょうか。石垣を載せたということは、それが少々のことではびくともしないと知っていたのでしょう。でも、それが太古の森の一部だとは思いもよらなかったにちがいありません。

大田の美味しいお店「御前そば」

御前そば

「御前そば」は、石見銀山の町、大森の伝統的建造物群保存地区の一角にあります。

オススメのメニューは「鴨つけ麺」(900円)と「割子そば定食」(850円)です。人気メニューの「鴨つけ麺」は、あったかい鴨汁にそばをつけて食べる独特のスタイル。

先代から伝わる出汁の味を50年以上守り続けているそうです。つけ出汁でありながら、濃すぎない「飲める出汁」で、コクと風味がたまらない一品です。

他にも沢山のメニューがありますので、銀山の町並み散策の機会に是非お立ち寄りください。

営業時間 11:00~16:30

定休日 不定休

収容人数 40名

駐車場 なし

住 所 大田市大森町イー793-1

TEL 0854-89-0332

団体受付 要予約

時空を超えて大蛇現る!

フェスティバル

5月2日に開催した埋没林フェスティバルでは、恒例の地元多根神楽団による幻想的な神楽上演を行いました。

演目は「大蛇」。スサノオノミコトが大蛇を退治する神話の一場面です。

舞台は時空を超えて現れた縄文の森。奏楽の音が響くと太古の空間にタイムスリップしたような感覚に包まれます。
荒れ狂う大蛇の姿に一段と激しくなる神楽囃子。勇壮な舞と迫力ある音の世界は、他では味わうことのできない神秘的な空間を満足して頂いたものと思います。

また、芝生園地では野点と地元の物産販売を開催し、楽しいひとときを過ごしていただきました。

【多根神楽団】

多根神楽は、三瓶山北麓の神楽社中。

明治の中頃に多根佐比売山神社の宮司が神職の舞を村人に伝授したのが始まり。昭和16年頃に舞人の減少により一旦途絶えたものの、昭和41年に青年団員数名の有志が発起し復活した。
現在、伝統ある郷土芸能多根神楽を後世に伝えたいと、20名余の団員が活動している。