みずときから世界を体感!暮らしの選択肢広げるプラントベースの多国籍料理 Plant based Mizutoki 塩澤さん

2023.03.23

 

 

水とすむまち・吉賀町にある「Plant based Mizutoki(プラントベースド ミズトキ)」は、旬の有機野菜を使った「プラントベース(植物由来)」の多国籍料理が評判です。
 

店主の塩澤真耶子(しおざわ まやこ)さんに、人にも環境にも優しい料理や、旅で出会った「本当の豊かさ」、吉賀町の魅力、暮らしの中の選択肢について伺いました。

 

 

―いま、環境にも健康にも良いと注目される「プラントベース」の食スタイル。まだ暮らしの中では聞き馴染みのない言葉だと思いますが、どのような料理を提供されているんですか?

 

 

いろいろな定義もあるんですが、一般的には植物由来の原材料を使用した食事のことです。
 

Mizutokiでは、お肉やお魚、乳製品、卵、精製されたお砂糖や化学調味料を使わずに、なるべくアレルギーに対応した食事を提供しています。
 

食材は、提携している柿木村の農家さんが農薬を使用しないで育てた有機野菜を使い、週替りプレートや自家製スパイスを効かせたインドカレー、ヴィーガンケーキなどをお出ししています。
 

その時に採れるものを農家さんが毎週持って来てくれるので、時期によって使う野菜は変わりますが、キャベツのみずみずしさやカブの柔らかさなど、素材に合わせた調理をしています。

 

 

―とても色鮮やかでおいしそうですね。ベースとなっている料理はなにですか?

 

 

元々は、広島の和食のレストランで働いていました。
その後は、ヴィーガン料理の教室を主宰したり、ベトナム、インド、中国、タイなどへ旅も兼ねて料理の勉強へ行き、調理法や食文化を取り入れたりもしていますので…色々ですかね。

 

 

有機農業が盛んな北インドのシッキム州というところに友達がいるんですが、滞在させてもらってお母さんにインドの料理を教えてもらいました。
 

どこの国の料理でもそうですが、私は家庭料理が好きです。

 

 

―これまでのいろいろなご経験が一皿に盛り込まれているんですね。旅の中で何か印象深い思い出はありますか?

 

 

心に残っているのは、そのインドのお母さんの卵の割り方です。
 

割って中身を出すだけではなく、殻の内側をこそいで最後まで掻き出しているのを見たときに衝撃を受けました。

 


 

そのお家は裕福な方で卵をたくさん買うことができるはずですが、贅沢をせず、食や物を大切にされ、養子を2人家族に迎えて育てていました。
 

その時「本当の豊かってなんだろうか」と感じたことを、ずっと忘れないようにと思いました。

 

 

山岳地帯の北インドやネパールは、居住地の標高が上に行くほど物資も少なくその中に暮らしがあります。
 

そこにある物、採れた物を大切に使うこと。
 

不便さを知ることで、そんなに物を持たなくても暮らしていけることが分かったので、「豊かさ」ってなんだろうと考えながら、今でもあまり物を増やさないような暮らし方を心がけています。

 

 

―お弁当の注文の際にプラごみの削減、来店時にマイ食器の持参を呼びかけていたり、お皿の拭き取り用にウエスを用意されているのもそのような思いからですか?

 

 

お店として汚れ物を少なくして、お水や洗剤の使用量をおさえたいという思いもありますし、私自身が買い物から帰るとすぐにごみになる器や包装が無駄だなと感じたので、マイ食器を持参してもらうことを推奨しています。
 

最近は容器を持参してくれる方が増えてきていると思います。

 

 

―お店に置かれている鉢や窓は、全て形が違うのに調和されているように感じます。内装も、塩澤さんがされたんですか?

 

 

この古民家は、元々は産婆さんの家だったと聞いています。
 

初めは一人でやろうと意気込んで改修を始めたのですが、一人では埒があかなくて大工をやっている友人に頼んで手伝ってもらいました。

 

 

こだわったのは、陽の光がたくさん入るお店にしたかったことと、ゆっくりできる空間にしたかったことです。
 

古本屋さんが改修される際に貰ったガラスで窓を作ったので、ひとつひとつ形や柄が違います。




 

元からあった物をまた使いたくて、土壁は一度壊して水で練ってから塗り直しました。
 

土嚢袋も2030個あってすごい量で…もうやけになるくらい。(笑)


 

 

この円形のスペースも大工さんに基礎を作ってもらって、私がクッションや周りを縫っています。
 

とにかくお客様にゆっくり過ごしてもらいたくて。寝て帰る方もいます。(笑)

 

 

―本当に日差しが入って風のとおりも良くて心地よい空間ですね。お客様はどのような方が来られるんですか?
 

 

子育て世代の奥様方や友人同士、高校生が来てくれたり、もっと年齢が上の方たちも来られます。

 


 

いろんな方が本を持って来てくれるので、奥様たちの隣でお子さんが本を読んでたり。
 

男性がお一人でフラッと来てお茶してギターを弾いてまたフラッと帰る方もいますね。(笑)

 

 


プラントベースの料理は味気なくて物足りないイメージがあるかもしれませんが、MIZUTOKIでは、アレルギーがある人もない人も、お肉が好きな人も食べない人も、ジャンクフードのように気軽にガツンと食べたい人も、気を使わずみんなが同じテーブルを囲んで食事を楽しめる、食べ応えのある料理を提供したいと思っています。

 

 

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