人にも、環境にも優しい珈琲はいかが?香り豊かな豆を焙煎するナマケモノ珈琲 中村さん

2020.03.18

浜田市で自家焙煎珈琲店「ナマケモノ珈琲」を営む中村聡(なかむら あきら)さん。街の片隅にひっそりたたずむお店で、コーヒー生産者の権利を守る「フェアトレード」等の認証を受けた、人に優しく環境にも優しいこだわり豆を丁寧に焙煎して販売されています。

 

 

―中村さん、こんにちは。珈琲のいい香りがしますね。隠れ家のような雰囲気のお店も素敵です。

 

ありがとうございます。当店では、生のコーヒー豆を仕入れて、手作業で状態のいい豆を選び直し、丁寧に焙煎(ロースト)して販売をしています。

焙煎は、生の豆を煎る作業で、コーヒーの香りと味を決める大事な行程です。大きな焙煎機を用いますが、豆の状態によって加減が異なるので、一回一回火の入り具合を確認しながら作業しています。

 


さわやかなアロマとなる「浅煎り(あさいり)」はエチオピア、飲みやすく心が落ち着く「中煎り(ちゅういり)」はブラジルやグァテマラ、元気づけられるコクとビター感のある「深煎り(ふかいり)」はインドネシアやウガンダ産といった具合です。
焙煎したてのコーヒーは香りがとてもよく美味しいですよ。

 

 

-「珈琲店」とのことですが、カフェではないのですか?




そうですね。今は焙煎に専念するため、「カフェ」としての提供はありません。

コーヒーは実はパンと同じように生鮮食品で、ローストをしてしばらくは美味しい期間がありますが、そこからは日に日に味が落ちていきます(酸化していきます)。
焙煎から3~4週間も経てば、例えいい豆でも味が落ちます。そのため、うちは1〜2日に1度は焙煎を行っています。

 

 



すぐに召し上がりたいお客様にはマシーンにて当店の美味しいコーヒーを提供しています。

また、ドリップ式のコーヒーパックも販売していますので、お気軽にお家でもお楽しみいただけます。

 

 

 

 

 

 

コーヒーがそんなに鮮度が重要だとは知りませんでした。焙煎される豆はどのようなものを仕入れているのでしょうか。


人に優しく、環境に優しく、健康的でおいしいコーヒー を目指しています。
コーヒー豆の生産はアフリカや中米などの発展途上国で行われている場合も多く、貧困による様々な問題を抱えている地域もあります。




例えばこの豆ですが、小さな農園でも仲買人が適正な価格で長期的に購入する契約を結び、働く人の賃金や環境を守っている「フェアトレードFLO」認証を受けています。

この豆を選び購入することで、農園の貧困や児童労働を防ぐことに繋がるのです。

 

ナマケモノ珈琲は、可能な限り人や環境にやさしいコーヒー豆を採用して、生産者も私たちも幸せに近づくことを目標にしています。

 

 

なるほど。「人に優しい」というのは労働環境や公正な取引など生産過程のことを指していたのですね。「環境に優しいコーヒー」や「健康的なコーヒー」というのはどういう意味でしょうか。

 

例えば、カエルのマーク「レインフォレスト・アライアンス」は、豆の生産にあたって「生物多様性の保護」や「人々の暮らしと福祉の向上」に取り組んでいることを保証しています。

「バード・フレンドリー(鳥に優しい栽培や有機栽培)」を受けた豆も選んでいます。私もいつか生産地でコーヒー栽培の現場を見てみたいと思っているのですが、やはり自然環境に負荷を与えるようなやり方では、持続可能なものとは言えません。
また、いくら味が良くても、日本はコーヒー生豆の輸入の際には農薬に関して非常に厳しいので、消費者がけた違いな農薬を飲用することは考えられませんが、できれば何らかの認証のある生豆を採用したいです。

 


いろんな認証があるのですね。そういった豆を選ぶときのご苦労などありますか?

 


「おいしさ」との両立が難しいですね。今言った認証は生産のプロセスにおけるチェックなので、必ずしも豆自体の味を保証するものではありません。

街のコーヒー屋としては、やはり「おいしさ」がなければお客さんは離れていってしまいます。それに、認証を受けるのにも手間やお金がかかるので、実際には有機栽培をしていても認証をとっていない地域もあったりするんですよ。

また、有機栽培ならではの事情としては、農薬を使っていないがために虫食いがあったり、少し痛んだ豆が混じっていたり、現地の人が手で選別されて品質管理されているところもあったり、なかったり…本当に様々です。

世界各地の豆を試しながら選び、手作業の選別と焙煎で「環境への配慮」と「おいしさ」が両立する工夫をしています。

 

 

1杯の珈琲に使用される豆の裏側にはそういった生産地域や環境への大切な取り組みがあります。
ぜひ認証の商品を選ぶことをきっかけに、世界との繋がりを考えてもらえればと思っています。

 

 

「ナマケモノ珈琲」という名前が面白いですが! どういった意味でしょうか。


ナマケモノはたくさん食べなくても少量の食料で生きていける生き物です。食べ物をめぐる争いをしなくても生きていける。自分もそんな姿がいいな、と「じっくり丁寧に」という気持ちを込めました。

現実は遅くまで働かないとなかなかお店を回せないんですが、そろそろ本気で怠けていきたいなと思っています(笑)。

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