自然情報

2020年度の天文現象のふり返り 2021.04.25

2020年6月21日、部分日食が見られました。動画は250倍速です。

7月にはネオワイズ彗星がよく見えました。三瓶では肉眼で尾まで分かりました。17日21時ごろ撮影。

12月6日、地球に帰ってきた小惑星探査機「はやぶさ2」をサヒメルの天文台で撮影しました。本体だけでなく、そこから分離した小惑星リュウグウの砂の入ったカプセルも捉えることができました。

1:20ごろ。右上から左下の線が、はやぶさ2の光跡。

1:55。矢印の先が8秒間のカプセルの動き。

       

12月21日から22日を中心に、木星と土星が接近しました。天候によりサヒメルでは23日に見ることができました。

2021年度もいろいろな天文現象を追いかけます。

(学芸課天文事業室 竹内幹蔵)


春を告げるオキナグサ 2021.04.18

早春の三瓶山北の原を代表する草花がオキナグサです。今年は暖かいためか、3月下旬から咲き始めています。全体が産毛に覆われているのは、早春の厳しい寒さから身を守るためといわれています。

(学芸課 井上雅仁)


部分日食が見られました

12月26日、部分日食が起こりました。三瓶では曇り空でしたが、雲間から少しだけ見られました。
次に島根で部分日食が見られるのは、2020年6月21日です。

2019年12月26日15時25分、休館中の三瓶自然館サヒメルで撮影。


H-IIBロケット8号機の打ち上げを島根から撮影

国際宇宙ステーションへ無人補給船「こうのとり」8号機を送るため、鹿児島県の種子島宇宙センターより打ち上げられたH-IIBロケット8号機を、島根から撮影しました。
打ち上げ直後のロケット1段目の燃焼は山に隠れて見えませんが、2段目を燃焼させて飛ぶ様子が、光跡となって山の上に写っています。矢印がロケットが進んだ向きです。

2019年9月25日1時07分40秒~1時10分00秒、10秒露出を12枚合成。出雲市芦渡町で撮影。


水星が見ごろ

水星は太陽の近くにあって普段は見にくい惑星ですが、今、見ごろになっています。島根の場合、日が沈んで空が少し暗くなってくる18:30から19:00ごろ、西の低いところを見てください。明るい星が見つかればそれが水星です。3月初めごろまでが見るチャンスです!

三瓶山北の原から見た水星 2019年2月23日18:35 方位はほぼ真西


2018年のペルセウス座流星群

ペルセウス座流星群がピークだった8月12~13日の夜と、翌13~14日の夜には、三瓶では多くの流星が見られました。

三瓶山と火星(山頂の右)と流星 2018年8月12日23:24

13日0:34~0:35

13日1:24

東の空 13日2:27

おうし座のアルデバラン付近を流れる 13日3:29

13日3:39

色の変化が分かる流星 14日4:07

なお、ペルセウス座流星群は、月齢によって見やすさの違いはあるものの、毎年同じ時期に出現します。


皆既月食が見られました

7月28日の明け方、島根県では好天に恵まれ皆既月食が見られました。
欠けゆく月のそばには赤い火星も輝き、すばらしい眺めとなりました。
次回島根で皆既月食が見られるのは、2021年5月26日です。

皆既月食直前の月と火星(左下) 2018年7月28日4:28、出雲市知井宮町で撮影

薄明の空の中の皆既月食 2018年7月28日4:47、大田市静間町で撮影


大接近した火星を見よう!

火星は2年2か月ごとに地球に接近します。今年の夏も接近しますが、今回は特に距離の短い「大接近」となります。最も近づくのは7月31日で、火星までの距離は約5,800万km。これほどまで近くなるのは15年ぶりのことです。
ただし、この日だけ急に火星が近づくのではなく、しばらくの間は大きく距離は変わりません。夏休みはたいへん明るい火星が見られることになります。

三瓶山の上の火星 2018年7月22日

火星の見つけ方は簡単です。7月末なら午後9時ごろ、8月半ばなら午後8時ごろ、南を向いてください。そこから右の方、つまり西側に明るい木星が見えています。そして、南から左、つまり東側を見ると、木星よりもさらに明るく、赤く輝く星があります。それが火星です。たいへん目立つので、見間違えることはないでしょう。
また、木星と火星の間には土星も見えていますし、夜のはじめごろの西の空には火星より明るい金星も出ていて、この夏の空は惑星でにぎやかです。

島根での空 7月末の午後9時ごろ、8月半ばの午後8時ごろ

8月のサヒメルの天体観察会では、火星の観察を行います。日時などは以下のとおりです。

 開催日:8月4日(土)、11日(土)、12日(日)、13日(月)、14日(火)、
     18日(土)、25日(土)
 開始時刻:午後8時、午後9時(各回45分)
 場所:三瓶自然館サヒメル天文台(新館)
 予約:不要、各回30分前より受付開始
 定員:各回先着100名
 料金:大人300円 小中高100円(各種割引料金あり)
 その他:8月12日はペルセウス座流星群も観察します。
     雨天曇天時はプラネタリウムを投影します。

あわせて、木星や土星も観察する予定です。

2018年7月26日の火星 60cm反射望遠鏡で撮影

オサイリス・レックスを撮影しました!

地球スイングバイ直前のNASAの小惑星探査機「オサイリス・レックス(OSIRIS REx)」を撮影しました。地球スイングバイとは、地球の重力を利用して軌道を変えることで、9月23日未明(日本時間)に行われました。オサイリス・レックスはこのあと2019年に小惑星「ベンヌ」に到達し、2023年に地球に帰還する予定です。

2017年9月22日22時29分05秒~22時31分06秒 60秒露出を2枚合成 60cm反射望遠鏡+レデューサー(F7) キヤノンEOS Kiss X7i ISO12800

2017年9月22日22時26分10秒~22時39分27秒 30秒露出を24枚合成しトリミング 10cm屈折望遠鏡(F4) キヤノンEOS 6D ISO25600

「オサイリス・レックス観測キャンペーン」には、全国の公開天文台が参加しています。
http://www.koukaitenmondai.jp/campaign/OSIRIS-REx.html


大黒点群出現中!

現在、太陽の表面に大きな黒点群が出現しています。目のいい人だと、望遠鏡を使わず「日食メガネ」だけで黒点があることが分かるほどです。
(なお、太陽観察用以外のもので光を弱めて太陽を見るのは危険ですので絶対にやめてください!)

2017年9月3日の太陽


2017年9月3日の太陽(太陽望遠鏡を使って特定の波長で見た姿)

2017年9月6日の太陽観測衛星SOHO ( ESA & NASA )による太陽の画像

6日21時ごろ、黒点群2673付近には大規模なフレア(太陽表面の爆発現象)が発生しました。
Courtesy of NASA/SDO and the AIA, EVE, and HMI science teams.

2017年9月8日、右端に見えているのがフレアが発生した黒点群2673。太陽の自転により、ここまで移動しました。

2017年9月10日、太陽望遠鏡に携帯電話のカメラを押し当てて雲間から撮影。縁に達した黒点群2673の付近からはある程度にぎやかなプロミネンスが出ていました。左下には長いプロミネンスが見えていました。

2017年9月11日、黒点群2673付近から、また大規模なフレアが発生。太陽観測衛星SDOによる画像。

フレア発生の直前に見られた磁気リコネクション(磁力線のつなぎかえ)の様子。太陽観測衛星SDOによる画像を、動画にしたもの(実際の約64倍速)。つなぎ替えられた磁力線が輪になって飛んでいるのがわかります。このように太陽活動領域の磁場の持つエネルギーが一気に解放されてフレアが発生すると考えられています。Courtesy of NASA/SDO and the AIA, EVE, and HMI science teams.