自然情報

かに座のイオタ星 2024.03.17

肉眼では1つの星に見えるけれど、望遠鏡で拡大して見ると2つ(複数)に見える星のことを「二重星」と言います。春の星座の1つ「かに座」の「イオタ星」も二重星の1つです。望遠鏡で観察すると黄色の4等星と青白い6.6等星が並んでいるのがわかる、とても美しい二重星です。三瓶自然館の天体観察会では、春の時期は、望遠鏡を向けて観察しています。

三瓶自然館の望遠鏡で撮影した「かに座のイオタ星」

(学芸課天文事業室 矢田猛士)


見え始めたポン・ブルックス彗星 2024.03.16

約70年の周期で太陽に近づくポン・ブルックス彗星が、見え始めました。今は望遠鏡なら十分確認できる明るさです。3月末から4月中ごろにかけては、比較的小さな双眼鏡でもよく見えるようになると予想されています。日暮れ後の西の空に注目です。

2月13日19:45ごろ、サヒメルの天文台で撮影

(学芸課天文事業室 竹内幹蔵)


かに座のイオタ星 2024.03.17

肉眼では1つの星に見えるけれど、望遠鏡で拡大して見ると2つ(複数)に見える星のことを「二重星」と言います。春の星座の1つ「かに座」の「イオタ星」も二重星の1つです。望遠鏡で観察すると黄色の4等星と青白い6.6等星が並んでいるのがわかる、とても美しい二重星です。三瓶自然館の天体観察会では、春の時期は、望遠鏡を向けて観察しています。

三瓶自然館の望遠鏡で撮影した「かに座のイオタ星」

(学芸課天文事業室 矢田猛士)


春よ来い 2024.03.10

 哺乳類の仲間には、寒くてエサの少ない季節を冬眠して乗りきるものがいます。コウモリはエサとしている昆虫が少ない冬、呼吸や心拍、体温などを活同時にくらべて極度に低下させた眠りにつきます。体温にいたっては活同時がヒトと同じ位あるのに対して、冬眠中は外気温と同じ位まで低下させています。これらは小さな体で冬を乗りきる術で、3月上旬頃に冬眠のラストスパートを迎えたコウモリ達をみるとガリガリに痩せていることがあります。特に昨夏生まれの亜成獣たちは皮下脂肪の蓄えが少なく、よくぞ我慢してきたな、と思うことがあります。早く暖かくなって虫たちが活動するのを心待ちにしていることでしょう。

冬眠中のキクガシラコウモリ

(学芸課 安藤誠也)


エビの尻尾 2024.03.03

スギの花粉も飛び始め、春の気配も漂いはじめた今日この頃ですが、三瓶山の標高800 mより高所では樹氷を見ることができました。樹氷とは、風で運搬されてきた雲粒などの過冷却水滴(0℃以下であっても凍っていない水滴)が樹木などの物体に衝突し、凍結したものです。その形から「エビの尻尾」とも呼ばれるのだとか。

(学芸課 今井 悟)


オオトビサシガメ 2024.02.25

 物陰で越冬中のカメムシを見つけました。細長い体型をしたオオトビサシガメです。大きさが2センチを超える大型の種類です。背中を押さえると「キーキー」と鳴く、バナナに似たにおいを出すなどユニークな習性をもちますが、サシガメの仲間は不用意に掴むと針状の口で刺すこともあるので注意しましょう。

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(学芸課 皆木宏明)


源氏星・平家星 2024.02.18

オリオン座には一等星が二つあり、白っぽいリゲルと赤っぽいベテルギウスの対照的な色合いも楽しめます。諸説ありますが、源氏と平家の旗色がそれぞれ白と赤だったので、なぞらえて源氏星、平家星と呼ぶという話があります。

(学芸課天文事業室 太田哲朗)


ふくらすずめ 2024.02.11

ふくらすずめ・・・・カタカナで表記したらチョウ目ヤガ科の昆虫。漢字で書いたら縁起物の置物。平仮名でも帯の結び方など、たくさんの意味を持つ言葉です。もともと冬の寒さに耐えて羽毛の間に空気をためて体温を保っているスズメの様子が、福々しく可愛らしい様子からできた言葉ですが、この時期、多くの鳥たちが同じように丸くなっています。
ふくらメジロ、ふくらキジバト、ふくら・・・・寒い日に工夫をこらして過ごしている鳥たちを探してみましょう。

(学芸課 星野由美子)


冬の&(アンパサンド) 2024.02.04

星を色によって分類したものをスペクトル型といいます。冬の夜空では、明るい星だけで主なスペクトル型が一通り揃います。青い星から赤い星に向かって写真のようにO型、B型、A型、F型、G型、K型、M型の星をつないでいくと、&(アンパサンド)の記号が描けます。私はこれを「冬の&」と呼んでいます。

出雲市芦渡町で撮影

(学芸課天文事業室 竹内幹蔵)


ヒガンバナ 2024.01.28

今年は辰年。タツ(辰、竜、龍)にちなんだ植物は多く、ジャノヒゲ(竜の髭)、リンドウ(竜胆)などは有名どころでしょう。少し変わったところでは、冬の間は葉で過ごし、初秋に赤い花をつけるヒガンバナ。漢字では竜爪花と書くそうです。

(学芸課 井上雅仁)