自然情報

しし座の銀河トリオ 2022.04.17

今ごろの夜8時くらい、空の高いところにしし座が出ています。このしし座の後脚の付け根のあたりを双眼鏡で観察すると、3つの銀河が並んでいるのが見つかります。約3000万光年離れた位置にある小さな銀河群で、M65、M66、NGC3628の3つの渦巻銀河から構成されています。

(学芸課 矢田猛士)


アライグマ 2022.04.10

アライグマは北米原産の動物で、タヌキとよく似ていますが、尻尾に黒い縞模様があるのが特徴です。木登りが得意で樹洞の他、木造家屋の屋根裏などにも住みつきます。1970~80年代にかけてアニメの影響などでペットとして飼育されましたが、その後に放されるなどして全国で野生化しました。国の外来生物法で特定外来生物に指定されています。

(学芸課 安藤誠也)


扇状地(沖積錐) 2022.04.03

河川が山地から平地に流れ出る所にできる扇子のような形の地形として「扇状地」を習ったことを覚えている方も多いと思います。西の原は、男三瓶と子三瓶から崩れてきた土砂が“扇谷”から流れ出ることでつくられた扇状地です。
扇状地の中でも、主に土石流によってできる、小規模で傾斜の急なものを「沖積錐」ということがあります。西の原に点々と転がるデイサイトの岩塊は、土石流によって運ばれてきたものなのでしょう。沖積錐は傾斜が急な場合が多いですが、西の原の傾斜は概ね8度程度で、沖積錐としては緩やかなようです。地形的に、土砂の供給量や土石流の発生数が少ないことが影響しているのかもしれません。
悪天候のため、今年は火入れがおこなわれなかった西の原。火入れができれば、地形がもっとよく見えるようになるかもしれません。来年を期待して待ちたいと思います。

(学芸課 今井 悟)


マメコバチ 2022.03.27

春の間だけ姿を見せる、マメコバチが活動を始めました。ミツバチほどの大きさで、サヒメルに設置したヨシや竹筒の穴を利用し、営巣を行います。暖かい日には、たくさんのマメコバチが飛び交う様子を見ることができます。このハチは単独性でとてもおとなしく、人が近づいても刺してくることはありません。
実は人の役にも立っており、リンゴやサクランボなどの果樹園では花の授粉に利用されています。

マメコバチと営巣しているヨシ筒

(学芸課 皆木宏明)


ふたご座 2022.03.20

日暮れ後に頭上高く並ぶのは仲の良いカストルとポルックスの兄弟。二人の名前がついた星を頭にして体を連ねると、ふたご座ができあがります。面白いことにカストルは、望遠鏡で観察すると星が2つになる二重星です。

(学芸課 太田哲朗)


夏羽のアトリがやってくる 2022.03.13

昨秋に紹介したアトリですが、3月下旬になると装いをかえた姿で水場にやってきます。少し前の記事と比べてもらうと一目瞭然! 真っ黒な頭に、鮮やかなオレンジ色が目立ちます。この変化は、生え換わるのではなく、羽根の端がすれてけずられ、内側にある鮮やかな色合の部分が見えるようになってくるからです。夏羽のアトリは4月下旬まで水場に飛来することがあります。

水場に飛来したアトリの群れ。夏羽になるとと雌雄がはっきりとちがう。頭が黒い個体がオス。手前右向きの頭が薄茶色の個体がメス。 2019年4月24日サヒメル水場撮影
アトリ夏羽のオス。頭全体が黒い。2012年04月17日サヒメル水場撮影

(学芸課 星野由美子)


プレセペ星団 2022.03.06

かに座には目立つ星はありませんが、プレセペ星団という特徴的な星の集まりがあります。今ごろは南東の空高くに出ていて、街明かりのない三瓶だと、肉眼でもぼうっと見えます。古代ギリシャ人はロバが食べる飼い葉に見立てたのだとか。双眼鏡を使うと、大きな星の集団に見え、みごとです。

かに座 三瓶自然館サヒメルで撮影

(学芸課天文事業室 竹内幹蔵)


ロゼット 2022.02.27

残雪が点在する三瓶山北の原。まだ何も生えていないようですが、地面のところどころで植物の葉を見かけます。地表に葉を丸く広げた状態はロゼットと呼ばれ、そのかたちがバラ(ローズ)の花びらに似ていることが由来といわれています。

ノアザミのロゼット
ブタナのロゼット

(学芸課 井上雅仁)


裸芽(らが) 2022.02.20

冬芽には、芽鱗(がりん)がしっかりと外側を被い寒さから芽を守っている鱗芽(りんが)と芽鱗がない裸ん坊の芽、裸芽(らが)があります。裸で大丈夫?と心配になりますが、裸芽は裸芽で一番外側の葉に細かい毛をびっしりとつけ、冬の寒さをしのいでいます。写真はムラサキシキブの裸芽、2枚の小さな葉が向き合うようについています。

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(学芸課 松村美雪)


おうし座の散開星団「すばる」 2022.02.13

2月半ばの夜8時ごろ、晴ていて、街明かりや月の明かりがない場所で空を見上げると、頭の真上近くに、ぼんやりとした光のかたまりが見つかります。散開星団の「すばる」です。目がよい人は、5個か6個くらい星が集まっているのが分かります。写真に撮ると100個以上の星が写ります。

(学芸課 矢田猛士)