自然情報

ウメバチソウ 2025.10.12

本格的な秋を迎え、三瓶山麓の草原が徐々に枯れ色へと移り変わるころ、草花のたちも今年最後の見頃を迎えます。この季節を代表する草花のひとつがウメバチソウです。鮮やかな白色の花は草むらの中でも目を引きます。花の様子が家紋の「梅鉢」に似ていることが名の由来です。

(副館長 井上雅仁)


中秋の名月 2025.10.05

旧暦8月15日の月は「中秋の名月」として知られ、日本ではお月見をする習慣があります。2025年は10月6日が中秋の名月です。この日は、月の近くに土星が明るく輝いています。なお、満月の瞬間は翌7日の12時48分ですので、望遠鏡や双眼鏡を使うと6日の月は少しだけ欠けて見えています。

満月。三瓶自然館で撮影

(学芸課天文事業室 矢田猛士)


雌雄の特徴をもつクワガタ 2025.09.14

今夏、島根県雲南市で右側がオス、左側がメスの形態をもつ雌雄モザイクのノコギリクワガタが発見されました。8月からサヒメルで生体展示しており、9月に入ってもまだ元気なので、引き続き展示中です。
突然変異でごく稀に生じるとされる、雌雄モザイクのクワガタが県内で確認されたのは15年ぶりです。昼間はじっと隠れていることが多いですが、まだ見られていない方はぜひ生きている姿をご覧ください。

ノコギリクワガタの雌雄モザイク個体

※ 9月末まで生体展示しておりましたが、10月3日に寿命を迎えました。
昆虫たちは短い生涯の中で、多くのことを私たちに教えてくれます。
展示をご覧いただけなかった皆さまには申し訳ありませんが、何卒ご理解いただけますと幸いです。
今後は標本化した後三瓶自然館で収蔵し、企画展等に合わせて展示する予定です

(学芸課 皆木宏明)


移動研究室 2025.09.28

哺乳類担当をしている筆者は、夜行性の動物調査でしばしば夕方~翌朝まで、県内の山林原野に分け入っていることがあります。
仮眠をしたり夜食を食べたりしながら、ほっと一息がつけるのは移動に使っている業務車両の中です。商用のバンで、助手席を倒すと机代わりに使うことができるので、パソコンを持ち込んで取ったばかりのデータを整理することも出来ます。外が雨だろうが、強風が吹いていようが車の中は快適で、まさに移動研究室です。この原稿も深夜にコウモリ調査をしながら標高900mの山中で書いたものです。

移動研究室(商用バン)内でのデータ整理

(学芸課 安藤誠也)


赤い目のカニ 2025.09.21

高知県南西部の海岸での地質調査中に見かけた、赤い目が特徴的なカニ。おそらくイワオウギガニです。図鑑などを見てみると、イワオウギガニの分布は奄美大島以南の太平洋やインド洋で、サンゴ礁や岩礁で暮らしている、とありますが、四国にも生息しているようです。島根県には、イワオウギガニによく似たイボイワオウギガニの分布域に含まれています。イワオウギガニとイボイワオウギガニは、どちらもハサミの力がとても強いそうですので、観察するときは注意してください。

(学芸課 今井 悟)


皆既月食 2025.09.07

明日(9月8日)の未明に皆既月食が観察できます。午前1時半ころに欠けはじめ、地球の影に完全に入る(皆既)のは2時半ころ。その状態が1時間20分ほど続きます。肉眼でも観察できるので後は天気だけ。くれぐれも日を間違えないように。8日未明ですから、今日7日の夜の内に起こるのですよ。

(学芸課天文事業室 太田哲朗)


キビタキのオスとメス 2025.08.31

キビタキは、日本に夏だけやってくる渡り鳥です。オスは黒い背中に鮮やかな黄色の喉と胸が目立ちます。メスは同じ種類とは思えないほど茶色っぽく、卵やヒナを巣の中で温めるときに目立たない控えめな色合いです。オスは透明感のある高い声でさえずります。三瓶の森にその歌声はよく響いており、運がよければ出会えるかもしれません。三瓶自然館の野外観察コーナーの水場では、ほぼ毎日、その姿を観察することができます。

キビタキのオス(左)とメス(右)

(学芸課 星野由美子)


天の川 2025.08.24

今時分の午後9時ごろ、天の川は北北東から真上を通り南南西に向かって、空を半分に分けるように「流れて」います。特に27日まではこの時刻に月が出ていませんので、よく見えます。島根県内であれば、街灯などの明かりさえ避ければ見られます。そして29日には旧暦7月7日の伝統的七夕を迎えます。

三瓶山と天の川=8月20日、サヒメルで撮影

(学芸課天文事業室 竹内幹蔵)


晩夏の草原を彩るキキョウ 2025.08.17

キキョウは青紫色の花が美しく、山野の草原や林縁などに生えます。秋の七草のひとつとされるように、かつては身近な存在でした。しかし現在は全国で数を減らしており、希少な植物となっています。三瓶山ではお盆の頃から、点々とその姿を見ることができます。

(副館長 井上雅仁)


薄明光線と反薄明光線 2025.08.10

7月21日の夕方,大田市内からは西の空にきれいな薄明光線が出現しているのが観察できました(写真1).

写真1 薄明光線

もしかしたらと思って,東の空を見てみると,太陽と反対側の空に,光の帯が収束するように見えていました(写真2).反薄明光線です.別名「裏後光(裏御光)」と呼ばれます.

写真2 反薄明光線

360度カメラで撮影すると,西から東に光の帯が伸びる様子が写りました(写真3).

誰の上にも同じ空が広がっています.ぜひ,みなさんも見つけてみてください.

写真3 薄明光線と反薄明光線.2025年7月21日.大田市内で撮影

(学芸課天文事業室 矢田猛士)