自然情報

アラレタマキビの避暑行動 2025.07.27

アラレタマキビは、海岸の岩場で暮らす小さな巻貝です。貝なのに水が苦手で、波しぶきがわずかに届くような場所にたくさんくっついています。
夏、強い日差しによって熱せられた海岸の岩場は、とても過酷な環境です。アラレタマキビなどタマキビ科の貝類は、“つま先立ち”や他の個体の上に乗っかる“肩車”によって、暑さを避けることが知られています。海水浴に行かれる方は、ぜひタマキビの仲間も観察し見てください。

(学芸課 今井 悟)


オニヤンマ 2025.07.20

道端の茂みに大きなトンボがとまっていました。オニヤンマです。この時期のオニヤンマは、林沿いの日当たりのよい場所を飛び回り、虫を捕らえて過ごします。三瓶山では日中、周回道路や遊歩道をよく飛び回り、サヒメルの玄関前でも悠然と飛翔する姿を見ることがあります。

オニヤンマ

(学芸課 皆木宏明)


天の川の天体 2025.07.13

空が暗くなると、東の空から天の川が横たわりながら昇ってきます。天の川はたくさんの星が集まってできていて、星雲や星団があちこちに散らばっています。探すともなく双眼鏡を向けるだけでも、あちこちにそうした天体の姿を見ることができます。

写真は散光星雲M17

(学芸課天文事業室 太田哲朗)


アカショウビンの巣 2025.07.06

 アカショウビンは、独特な鳴き声と全身が赤い特徴的な姿からバードウォッチャーあこがれの鳥の一つです。夏鳥として日本に渡来して子育てをします。一般的には赤土の壁などに穴を掘って巣作りします。
 ところが、巣穴を掘る土壁が減少しているのか、それとも他の理由があるのかわかりませんが、20年くらい前から大きなスズメバチの古巣に巣穴を掘って子育てする様子が観察されるようになりました。
 この巣穴も現在進行形で利用されているときに撮影したので、巣に出入りするたびに足指をかける場所が「レール」と呼ばれるくぼみになっているのが判ります。

(学芸課 星野由美子)


水星を見よう 2025.06.29

太陽の近くに位置するため普段は見にくい水星ですが、今は見ごろとなっています。太陽が沈んで少し暗くなった、島根でしたら午後8時15分ごろ、西北西の空の低いところにきらりと光る点を探してください。図は水星が太陽から最も離れる7月4日の見え方ですが、今週はほぼ同じような位置に見えます。

7月4日20:15、三瓶での水星の見え方

(学芸課天文事業室 竹内幹蔵)


梅雨に目を引くツルアジサイ 2025.06.22

梅雨の季節を代表する花といえば、アジサイでしょう。花壇や庭、道路脇など、各所で目にする機会があります。三瓶山周辺では、風変わりなアジサイの仲間があります。ツルアジサイといい、立木に巻き付いた状態で、アジサイの仲間らしい花をつけます。ちなみに、白く目立つ部分は、実のならない飾り花です。

(井上雅仁)


笠雲 2025.06.15

6月8日の朝,大田から三瓶山を見ると,山頂に帽子をかぶったような雲がかかっているのに気がつきました.「笠雲」と呼ばれる現象です.

空気が山を越えるとき,山の風下では空気が上下に波打つ,空気の波ができることがあります.空気が波を上昇するときに雲ができます.その後,空気が下降するときには雲が消え,波の山に当たる部分にだけ雲ができます.

三瓶山と笠雲.2025年6月8日.三瓶ダムより撮影。

(学芸課天文事業室 矢田猛士)


モリアオガエル 2025.06.08

梅雨になり、アジサイが咲いたり、サクランボが実ったりと初夏を感じるこの頃です。これら以外にも山野で季節を感じる営みとして、モリアオガエルの産卵があります。池や水が染み出した斜面などに張り出した木の枝には、綿菓子の様な白いフワフワとした卵塊がみられることがあります。産みたての新鮮な卵塊の近くの木々を探せば、親であるカエルたちがじっとしているのをみつけられることがあります。卵塊の中ではオタマジャクシが育ち、雨の時に泡状のものが溶け出して、水面に落ちていきます。すべてのオタマジャクシが生き残れるわけではなく、水の中ではお腹を空かせたイモリやヤゴなどの捕食者が待ち構えています。この時期、三瓶自然館と男三瓶山の間にある姫逃池では卵塊をみることができるので、来館された折りに行ってみてください。

モリアオガエルの卵塊と産卵しようとする雌雄(赤矢印の上)ERA

(学芸課 安藤誠也)


赤い地層 2025.06.01

吉賀町の山中の谷底に露出する赤い泥岩の地層。こうした赤い泥岩は、“土壌の化石”と考えられており、この地層ができた当時は陸地であったことを物語っています。ちなみに、この赤い泥岩は、約1億年前の川や湖などで堆積した関門層群の一部です。私はこの関門層群が、島根県内では最も恐竜化石が見つかる可能性の高い地層だと思っています。

(学芸課 今井 悟)


山頂のナミハンミョウ 2025.05.25

 ここは標高1,126mの男三瓶山頂です。次々に登山者が訪れる頂上でナミハンミョウを見つけました。登山途中の林内では見かけませんが、山頂付近の日当たりのより開けた場所までたどり着くと、地表を素早く歩行するハンミョウが見られます。しかし、多くの登山者は足元で活動するハンミョウの姿には気づいていないようです。

ナミハンミョウ

(学芸課 皆木宏明)