自然情報

ハロ 2025.02.23

ハロは、太陽の光と大気中の氷の結晶による光学現象で、太陽の方向に現れます。太陽の周りに、丸い光の環が出ているのを見たことがある方も多いと思います。これもハロの一種です。一方、ハロと似た大気中の光学現象に虹があります。虹は大気中の水滴が作り出す現象で、太陽と反対の空に出現します。

2021年1月25日に大田市で観察されたハロは、太陽の周りに二重に環(内暈と外暈)が広がっていました。さらに、太陽の両側には幻日と呼ばれるスポット的に明るい場所と太陽と幻日を貫く幻日環、加えて太陽の上側には逆さ虹と呼ばれる光の弧(アーク)が見られました。このような複数のハロが同時にはっきりと出現するのは、このあたりでは、数年に1度の現象です。

(学芸課天文事業室 矢田猛士)


窓から眺める雪景色と足跡 2025.02.16

今冬の三瓶は雪が積もることが多く、一面銀世界となっています。新雪が降って2日ほど経ってサヒメルの窓から外を眺めると、動物たちの足跡が沢山残っていることに気が付きます。テンやタヌキ、ノウサギなどの足跡がよく見られます。本館から新館へと続く屋根付きの野外通路に出ると、新鮮な足跡には肉球や爪の形がはっきりとわかる場合があります。積雪期ならではの自然観察を三瓶でしてみませんか。

三瓶自然館の廊下より撮影した雪と哺乳類の足跡

(学芸課 安藤誠也)


ムラサキゴカクガニ 2025.02.09

海岸での地層調査中、足元にたくさんいたムラサキウニを踏みつぶさないようにどかしていたときのことです。手に取ったウニに少し違和感。目をこらしてみると、五角形をしたカニを見つけました。名前はそのままムラサキゴカクガニ。ムラサキウニと共生するカニです。ちなみに、同じウニには2023年12月31日の自然情報で紹介したムラサキウニヤドリエビもくっついていました。トゲによって守られているウニの体表面は、小さな生き物たちの住処にもなっているようです。

(学芸課 今井 悟)


コロギスの冬越し 2025.02.02

落ち葉をめくると、茶色の葉っぱに包まった鮮やかな黄緑色の虫がいました。バッタの仲間、コロギスの幼虫です。よく見ると同じ落ち葉には、枯れ葉と同色のゴマダラチョウの幼虫もいました。どちらも幼虫で冬を越します。春を迎えるまで、同じ葉の上で一緒に過ごすのでしょう。

越冬するコロギスとゴマダラチョウ(いずれも幼虫)

(学芸課 皆木宏明)


鼓星(つづみぼし) 2025.01.26

冬の星座の代表格、オリオン座は、その特徴的な形から一度見れば見忘れることはないでしょう。和楽器の一つ、鼓の形に似ていることから鼓星と呼ぶところもあったようです。この先雛飾りを目にしたときは、五人囃子の一人が持つ鼓と似ているか比べてみてください。

(学芸課天文事業室 太田哲朗)


ハギマシコ 2025.01.19

冬になると野鳥の姿が少なくなる三瓶山ですが、冬ならではの鳥もやってきます。積雪して一面が真っ白になった北の原では、除雪したサヒメルの駐車場は地上で種子などをついばむ鳥たちにとっては恰好のエサ場です。もし駐車場で小鳥の姿を見つけたら、そっと観察してみましょう。もしハギマシコを見つけることができたらラッキーですよ。

(学芸課 星野由美子)


冬の澄んだ空気 2025.01.12

三瓶でも冬は空気の透明度が高い日が多いようです。写真はサヒメルの近くにある国引きの丘から撮ったもので、およそ30km離れた島根半島がくっきり見えています。こんな見通しのいい日が続くこともよくあります。山陰の冬は曇りがちですが、晴れた夜は空が澄んで星の輝きが見事ですよ。

2024年12月25日撮影

(学芸課天文事業室 竹内幹蔵)


干支にちなんだ植物~ヘビノネゴザ 2025.01.05

今年の干支にちなんだ植物を紹介しましょう。ヘビノネゴザというシダ植物です。別名はカナヤマシダで、かつてこのシダを目安に鉱山を探したといわれています。冬は葉を枯らしているため、見たいと思われた方は、春までお待ちください。

(学芸課 井上雅仁)


テンの小屋 2024.12.29

北の原には、冬の間、野生のテンが屋根裏部屋を寝ぐらにする「テンの小屋」があります。
この部屋は真っ暗なので、赤外線カメラを設置して継続的に記録映像を撮影しています。

今シーズン初めての本格的な積雪のあった12月19日の朝2時ごろ、テンの小屋にテンが入りました。
左奥の藁が積んであるところが寝床です。
ただ、シーズンの初日はすぐには寝床に入らずに、部屋の中を点検します。

テンは夜行性なので、昼間は基本的に寝ています。
ときどき起きて、排泄をしたり、グルーミングをしたりします。

日が暮れたころに出かけて行って、翌朝、明るくなってきたころに戻ってきます。
たまに、獲物を持って帰ったり、仔を連れて入ったりすることもあります。

テンの小屋に入ったテン。2024年12月19日2時9分ごろ。

(学芸課天文事業室 矢田猛士)


アニマルトラッキング 2024.12.22

 アニマルトラッキングとは動物を追跡するという意味で、本格的な冬を迎えたこの時期にはとてもしやすくなります。というのは、新雪が積もって数日もすれば、野生動物たちの足跡などが雪の上にいっぱい残るからです。サヒメル周辺ではテンやタヌキ、キツネにノウサギなどの足跡がよくみられます。足跡を追いかけていくと、ふんが落ちていることや、キツネが鳥を襲った跡に遭遇することもあります。ぜひ雪上の名探偵になった気分で冬の三瓶で活動する動物たちの痕跡を探してみませんか。

テンの足跡(三瓶自然館の野外通路で12月19日に撮影)

(学芸課 安藤誠也)